任意整理
任意整理とは
任意整理とは、破産や個人再生など裁判所を通じた法的な借金整理の方法ではなく、弁護士が債権者からの厳しい督促の矢面に立ち、債権者と交渉して、毎月無理なく支払える金額まで下げて、あなたに代わって支払を管理して、当事務所から各債権者に弁済することをいいます。破産などの法的手続と違って、保証人がついている債務から早く和解し、弁済を開始することができるなど、柔軟な解決ができますし、保証人に迷惑をかけるので破産は絶対さけたい人や自力でなんとか更生したいという人にお勧めの制度です。しかし、どんな場合でもできるとは限りません。どんなに多くても弁済金と弁護士費用との合計が収入の3割を超えるようであれば、生活破綻をおこしますので、原則としてお断りしております。無理をして任意整理をして途中で失敗した場合は、任意整理の費用と破産の費用と二重に弁護士費用がかかってしまいますし、それまで支払った弁済金を取り戻すことはできませんので、最初から破産をした方が良かったと後悔する人も中にはいらっしゃいます。
当事務所の任意整理の特徴
当事務所の任意整理の特徴は次のとおりです。順に、当事務所の任意整理の特徴をご説明します。
⑤ 抵当権実行直前でも大丈夫
⑥ 債権者の過剰融資を暴いて、債務を減額する
⑦ 利息制限法により、減額するのは、当たり前。一度完済したものも、一連計算にして減額することを頑張る
①徹底した家計簿指導による生活の立て直し
当事務所では、岡島式家計簿をきちんとつけていただく事で、徹底的に生活の無駄をなくし、無理のない範囲で支払ができるようにした上で、債権者の督促を止めて債権者と交渉します。しかし、借金が膨れあがったのは、自分の生活習慣として、収入以上の支出をする癖がついてしまったからと分析しています。
この収入以上に支出する癖は、病気と同じです。病気を治してきちんと管理して収入の範囲内で生活する癖をつけなければ、一生貯金することができず、また、どこかからお金を借りることになり、それが膨れあがりまた借金整理をしなければならないことになります。
現に、当事務所に来られた方の中にも、よその事務所で安易に破産や過払い金を取り戻したことで、その後消費者金融業者の甘い誘惑に負け、これくらいだったら大丈夫と自分をごまかし、再度借り入れをしてしまい、そこから返済のためにまた借りるなどを繰り返して、大きな借金になってしまったという方がたくさんいらっしゃいます。
当事務所では、まず、どうしてこうなったのか、自分で自分の弱点を見つめ直して頂きます。決して上から目線で指導する訳ではありませんのでご安心下さい。当事務所では、自分で自分の借金生活に陥った原因をきちんと見つめ直すこと(これを当事務所では「きづき」といっております)のお手伝いをさせていただいているだけです。
そのため、次のようなお客様は、お断りしております。途中で分かった場合は辞任させて頂いております。
(1)自分から本気で生活の立て直しをしようとする意思がないと判断できる人
親や周りの人が一生懸命ですが、本人は、自分のことなのに、どこか自分のことではなく、こうなったのは誰かのせいだと内心思っていると判断せざるを得ないような人です。
これは、家計簿を本気できちんとつけているかという点で端的に表れます。本気でない人の家計簿は、月1回見せに来る直前に、急いでつじつまをあわせるために家計簿を慌ててつけて、さも毎日つけているような振りをしようとするのですが、当事務所は長年たくさんのきちんとした家計簿と誤魔化した家計簿を見てきたプロですので、すぐにわかります。
(2)無職の人で3ヶ月以内に定職につけない人
無職の人でも、本気で立て直す意思が感じられ、3ヶ月以内にきちんと定職につくことができれば、当事務所では原則受任して応援しています。
弁護士が受任通知を出せば、ぴたりと債権者からの督促は止まり、落ち着いた生活を取り戻すことができます。うちでは、1000円でも着手金を入れてもらえれば、着手にとりかかり、債権者の督促を止めてきました。しかし、それに甘えて、病気を理由に就職活動ができないといってきちんとした家計簿もつけず、入金も怠り、ずるずると1年近くも甘えていた人がいました。
病気であっても、無職の状態で3ヶ月以内に定職につけない場合は、任意整理は不可能と判断し、破産に切り替えさせて頂いております。
(3)家計簿をきちんと付けない人
上述の通り、当事務所では、岡島式家計簿をつけることを一番重要視しています。これがきちんと毎日付けられない人、ごまかす人は、辞任させて頂いていますが、本気で収入の中で支出をする癖をつけようとする「きづき」に目覚め、岡島式家計簿をきちんとやり続ける人は、全力で応援させて頂いています。
②預り金の分別管理の徹底
たまに、弁護士や司法書士の中で、預り金を横領して、逮捕されるという事件が、ここのところちらほら報道されています。特に大々的に過払いなどを宣伝する事務所は、多額の広告費をかけて債務者を集めないと事務所を運営することができません。中には過払金の広告を全国規模でかけていた東京ミネルヴァ法律事務所のように、実態は弁護士や司法書士など有資格者以外の者が弁護士や司法書士を利用して、依頼者の預り金を流用したあげく破産したケースが、残念ながらございます。下の記事は、その原因を分析しており、当職も激しく同意するところです。
https://diamond.jp/articles/-/241503
当事務所では、預かり金については、依頼者毎に預り金口座通帳を作って、分別管理をしております。したがって、いつでも預かり状況についてお問い合わせして頂ければ、きちんと管理明細書をお渡しすることができます。
ご安心下さい。
③支払い代行
多くの法律事務所では、任意整理は分割払いの約束をするところまでで、その後の支払いは、依頼者にお任せして手放すという事務所が多いです。しかしながら当事務所では、原則として最後の支払いまで支払い代行を行っています。もちろん若干の手数料を頂いています。1社1回銀行送金料を含めて1000円(税別)を頂いております。店頭扱いの他行送金料が850円ですので、支払い代行が面倒な作業で、あまり利益にならないことは承知でおこなっています。
それは、本気で経済的に自立しようとする人を応援したいからです。自力で家計簿を毎日つけて、全部の債務を数年かけて完済した人の笑顔をみるのが、一番の楽しみです。
④月に1度の家計簿チェック
(1)岡島式家計簿の位置づけ
当事務所の任意整理は、だれでもつけられる岡島式家計簿を毎日つけることによって、金銭感覚を取り戻していただくことを基本としています。借金を始めたきっかけは、急な出費であったり、浪費であったり、生活費の補填であったり、あるいは病気にかかって働けなくなったりと様々な理由で借り入れを始めますが、30万円や50万円を一気に借りることは、かなり簡単にできますが、30万円、50万円を自力で貯金することは、至難の業です。こんな当たり前の感覚を取り戻すことを当事務所では徹底してサポートしています。
(2)岡島式家計簿の中核
岡島式家計簿の中核は、
①財布の中に入ってくる現金を収入とし、財布から出ていく現金を支出として、買い物のレシートごとに記帳して、レシートを張り付けていくこと
②一日の終わりに財布の中身を全部出し、実際の財布の中の有り高をひーふーみーと勘定して記入すること
③同居の配偶者や親や兄弟に、その金勘定した金額をチェックして毎日サインをもらうこと
です。
きわめて単純ですので、いままで家計簿を書いたことがなかったり、三日坊主で終わったりした人でもできます。
(3)同居の家族のチェック
現金だけを勘定するのは、現金勘定がもっとも金銭感覚を取り戻すのに適したものだからです。毎日寝る前に、現金を勘定して、家計簿に記入することで、金銭感覚が身に付きます。金銭感覚とは、いまいくら持っていると言われたときに、正確にいくらかもっているか即座に言え、購入するかしないか即座に判断できることをいいます。具体的には、コンビニに行って、財布を開ける前に今いくらあって、給料日まで何日あるから、これは買えないと判断がつくことをいいます。そうなったらしめたもので、貯金ができる体制ができたも同然です。
同居の配偶者等にチェックをしてもらうのは、三日坊主を防ぐためです。他人に行動を宣言して、行動を実践することについて強制の契機を与えることで三日坊主を防ぐことができます。また迷惑をかけている同居の配偶者や親などに自分は過去の自分と決別して変われるのだということを示して、理解と協力を求め、長い「自分との戦い」に対して一緒に戦っていくために絶対必要なことです。
毎日財布の中身をテーブルの上にジャランとあけて、チェックをお願いしますと言って、ひーふーみーと毎日チェックしてもらうことを継続することで、地に落ちた家族からの信用を取り戻すことができます。
(4)事務所の月に一度のチェック
また、当事務所の法律秘書や弁護士が、毎月家計簿をあなたがきちんとつけているかチェックさせていただいています。入金自体は、給料日に約束のお金の振替手続きを取っていただき、まず、優先的に振り替えていただきますが、毎月家計簿チェックに来ていただきます。
チェックといっても、学校の先生がおこなう宿題チェックのように、上から目線でチェックすることはしません。自分で前の自分よりもよくなっているかどうか、「きづき」のお手伝いをさせて頂いているだけです。
今まで一度も家計簿など書いてきたことがない人がほとんどです。しかしながら、数週間きちんと毎日つけていると、自然に向上心が高まり、つぎはここを減少してやろうと励むことが多くなってきます。そのようになったら、もう半分成功したも同然です。
(5)月に一度の家計の状況の作成
日々の財布の中身の出し入れを記載した家計簿と一緒に、1か月に一度、毎月の家計の状況をまとめていただくことをお願いしています。
この1か月の家計の状況は、現金の出し入れだけでなく、通帳に記載のあるものすべてを拾い出していただくので、結構難易度が高い作業です。同居の奥様や旦那様の収入も記入して全体の家計の状況をだしてもらうため、同居の配偶者の協力が不可欠です。だから毎日の財布の中身の有り高を一緒にかぞえることを継続することで、家族からの信用を獲得しなければ、協力してもらえません。
結局は、毎日、岡島式家計簿をきちんとつけて、毎日、同居の家族にチェックしてもらうことがとても重要な肝になります。
(6)借金完済までの長い道のり その果てにあるものは?
借金完済までの長い道のりを走破した後には、すっかり金銭感覚を取り戻した自分を発見することができます。そして、その後は、100万円貯めるまで、同じ切り詰めた生活を行い、いままで送金していた金額と同額を自分の貯蓄口座に積み立て預金をすることをお勧めしています。
100万円貯めるまで、借金返済期間を含めると速い人でも5年くらいはかかります。
100万円を借りるのは簡単ですが、100万円を貯めるのは、毎月3万円ずつ積み立てたとしても3年くらいかかるという、言われてみれば当たり前の金銭感覚を取り戻した先には、お金持ちになる道を歩く資格を得ることができます。収入を増やすことは困難ですが、支出を減らして管理をして、収入の中から毎月3万円以上を貯金する。こういう地道な生活を続けてようやく積み立てた100万円は貴いもので、簡単に消費することができなくなります。これがお金持ちになる長い道のりの第一歩です。
借金を抱えて悩んでいる方は、完済してもっと先のお金持ちになる道を歩む姿を想像してみてください。